世界遺産の時流

最近、彦根城世界遺産登録に関する講演などが頻繁に行われます。しかし、以前にも書きましたが、「世界遺産」に対する疑問をNHKが取り上げるほど、潮流が変わってきています。

 

10月4日の「おはよう日本」で取り上げられたものです。

 

取り上げられた課題

【富岡製糸場】

1.登録初年には観光客が133万人であった(平成26年度)が、平成28年度は80万人にしかならなかった

2.施設内を改造してホテルを作ろうとしたが、ユネスコ(正確にはイコモス)から「待った」がかかった

【ウイーン】

1.複合ビル建設のための条例改正(高さ制限変更)を行った

2.このことによって、世界遺産登録抹消が取り沙汰されている

【ドレスデン】

1.住民の利便のためにエルベ川に架橋をした

2.その結果、「(世界遺産としての)普遍的な風景」が壊されたとして、世界遺産から登録抹消された

 

私は、難しい議論をしようというのではありません。

 

彦根城は、勿論、素晴らしい城で、彦根市民の多くもこよなく愛していると思います。そして、彦根城は「国宝」です。全国に5つしかない現存天守のある城です。町並みも、日常の不便さをもたらしているかも知れませんが、歴史的な価値を見つけることができるでしょう。

 

しかし、富岡の現実を見てみる必要があるのではないでしょうか。確かに、登録前からすれば、観光客数は増加(平成25年度31万人)していますが、日本人の「新しいもの」好きの影響からか、早速、翌年度から漸減していることは否定できません。しかし、市長は施設内に「ホテルを作りたい」と提案しました。そして、これについて「登録抹消」が示唆されたわけです。「普遍的価値」とは何なのか、ということではないでしょうか。

 

現実にドレスデンが登録抹消されたことからも、ユネスコの考え方は明らかです。

 

ウイーンの市民にしてもドレスデンの市民にしても、「登録抹消は仕方がない」と考えています。「世界遺産であろうとなかろうと、ウイーンはウイーンであり、ドレスデンはドレスデンである」。そして、「町の価値には何ら変わりがない」というものです。

 

「世界遺産」によってもたらされる「不便さ」というものがあるのだとすれば(これら2都市では現実になっています)、その「不便さ」を彦根市民が甘受できるのかどうかです。

 

彦根城下町の区域には本年「彦根城下町遺跡」として、様々な制約がかけられることになりました。埋蔵文化財が発見されたときには、最悪、建築工事ができなくなる可能性があります。高齢者が多く住む旧足軽屋敷地域に、福祉関連の施設や高齢者に寄り添う建物が計画されても、建設できないことが想定されます。この「万一」までをも考えなければ、富岡の例のように安易に「世界遺産登録」と叫ぶことはできないのではないでしょうか。まして、市長の公約の1丁目1番地は「福祉日本一のまちづくり」のはずです。自らの公約を実現できなくなる可能性を組み立てることの矛盾を感じないのでしょうか。

 

「甘い言葉には罠がある」とはよく言われる言葉ですが、メリット・デメリットを詳らかにしてから、議論をするべきではないでしょうか。

 

そして、「世界遺産登録」そのものが「目的化」していることに疑問を持つべきではないでしょうか。

 

 

 

 

 


選挙結果

11月26日。2つの選挙結果が出ました。1つは千葉県市川市長選。もう一つは野洲市の住民投票です。

 

まず、市川市長選。立候補者が5名。公職選挙法では有効投票数の4分の1を得られなければ、最多得票であっても当選と認めてもらえないのです。

28,109 村越 祐民 無新
27,725 坂下 茂樹 無新
26,128 田中 甲 無新
20,338 高橋 亮平 無新
16,778 小泉 文人 無新

 

有効投票数は119,078票でしたので、法定得票数は29,769.5票。つまり、最多得票の村越候補は1,660.5票足りなかったということになります。

 

彦根市でも8年前の市長選で5人が立候補し、当選者が25.26%だったことがあります。しかも当選者と時点の差は39票。このようなこともあったのです。

 

選挙は再度行われますが、新しい立候補者が出ることもありますし、50日以内の再選挙がどうなるのか、関心がもたれます。

 

さて、野洲市の「市民病院を駅前に作るかどうか」という住民投票は投票率が50%に満たず(48.52%)、条例の「50%未満の場合には開票しない」という定めによって不成立となりました。住民投票の拘束力や最低投票率の問題など、課題はあるでしょうが、もっと自分たちの町の政治に関心を持ち、積極的に投票するという「権利」の行使が課題なのではないでしょうか。もちろん、直前の市議選で答えが出ていたという見方(駅前建設派が多数)をすることもできるでしょうが、同じ結論になるとしても、投票結果を出すべきだったのではないでしょうか。

 

国政をはじめとして、政治への無関心が広まりつつあるようですが、政治の一翼を担う立場からすれば、関心を持ち、声をあげることが大切なのではないでしょうか。

 

 

 

 

 


新ごみ処理施設

「国体」と「世界遺産」の稿では、市長の「決断」について書きました。

 

ところが、「新ごみ処理施設」については、決断できない姿とは、態度が180度違うのです。

 

この新ごみ処理施設は、現在の清掃センターの老朽化に伴い、毎年1億円もの修繕費が必要であることに加え、犬上・愛知の湖東リバースセンターも将来建て替える必要になることから、広域斎場と同じ枠組み(彦根愛知犬上の1市4町)で新しく建設することにしたものです。

 

その建設候補地については、彦根市だけでは候補地を決めることができずにいたため、1市4町での枠組みに広げたわけです。ところが、彦根市内だけでの候補地選定での経験を踏まえ、地元への助成をつけたことから、5箇所が応募し、広域行政組合(1市4町)で選定委員会を設け、各候補地を評価した上で市町長の会議で決定する方式を採りました。

 

その結果、合計7回の会議の中で、市長は6回目までは市内の候補地を推していたにもかかわらず、第7回目の会議で突如市外の候補地に決定するとしたのです。

 

選定委員会の評価についてはこれまでもこのブログで示したとおり、納得のいかない部分がありました。しかも、1市4町の人口の70%以上が彦根市であるにもかかわらず、彦根市から最遠の応募地が候補地となることで、ごみの運搬経費が毎年1.5億円程度必要になることが明らかとなり、様々な視点から、彦根市議会では広域行政組合に対して「慎重に検討」することを求める意見書を「全会一致」で採択しました。

 

このような経過があるにもかかわらず、市長は広域行政組合に検討委員会を設置して、具体的な検討を指示したものです。これは彦根市議会の考え方に真っ向から対決する姿勢であって、市民の声を代弁する議員と完全に決裂したと言っても過言ではありません。

 

このように、「決められない」政治から「強引な手法」での進め方との間に、大きなギャップを感じるのは私ひとりではありません。

 

市民はもとより、議会に対しても、この転換に全く答えようとしない態度は決して許されるものではありません。市長ひとりの思惑で政治が動くのであれば、「議会などなくてもよい」と言わんがばかりです。

 

なぜ、説明しないのでしょうか?

 

説明できないのでしょうか?

 

全国各地で住民投票や首長の問責、不信任などが出ています。市長がしっかりとした説明をしなければ、「全会一致」で意見書を採択した議会への対決姿勢と受け取られかねません。

 

先日の「カタリバ」でも、このことについてのご意見がいくつかのテーブルで出ていたことを付け加えておきます。

 

 


佐和山小学校信号機点灯

11月26日。佐和山小学校の横を通りましたら、信号機が点灯していました。

 

 

20171126001

 

 

明日から、安全に通学ができるようになると思います。

 

 


国体関連施設と世界遺産

「国体関連施設」について書こうとすると、どうしても「世界遺産登録」がリンクしてきます。

 

つまり、国体は急に降って湧いたような問題でした。積極的に主会場誘致をしていたとはいうものの、他の候補地との比較の結果、現有施設用地を活用することで、国体までに整備し終えるからという判断のもとに、彦根市が主会場に決まったものです。

 

つまり、彦根城北側の県陸上競技場とそれに隣接する市民体育センター用地を一体化し、さらに隣接する農地を利用すれば広大な用地の中で必要な敷地が確保できるというものです。

 

ところが、彦根市では25年にわたって彦根城を世界遺産に登録したいと考えてきました(市民への問いかけや市民の合意があったかのかというと、些か疑問です)ので、国体施設に様々な制約が生じてしまいました。例えば、陸上競技場の夜間照明設備の高さの問題です。彦根城を世界遺産に登録するには、背の高い照明設備は「不可」だというものです。

 

つまり、入り口での議論が足りなかったわけです。25年の長きにわたる世界遺産登録の議論が確定したものであれば、そもそも主会場に立候補できるのかという検討がされたのかどうかではないでしょうか。

 

市長選で「世界遺産登録」を公約に掲げたのであれば、そのことを優先するのか、「世界遺産登録」を諦めざるを得ないのかという検討があって然るべきです。そこを曖昧なままにしているからこそ、上滑りな議論になるのではないでしょうか。

 

なし崩し的に小出しで事業予算案が提出されてしまい、「国体主会場誘致の是非」とか「世界遺産登録が必要なのか」というような本質的な議論の場を作り出せずにいるのが問題なのです。これは、いわば市長の決断次第ではないでしょうか。

 

そのことに躊躇しているようでは、11万市民のトップとして心許ないと言わざるを得ません。

 

 



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