入口に立ち返って

「国民のために働く」内閣に、少なからぬ支持が集まっています。

 

しかし、もう一度、ここまでの1ヶ月を思い返してみる必要があります。

 

安倍総理が辞任を表明し、自民党内での総裁選びが始まりました。立憲民主と国民民主の合流問題が結論に達せず、野党勢力が国民の支持を得られないまま、間接民主主義の更なる間接民主主義とも言える自民党総裁選びが国会議員と各県連3票の選挙によって菅総裁が選出されました。

 

2週間後に行われるアメリカ大統領選も混沌としていますが、選挙人総取りが主流の彼の国の選挙の、4年前の逆転劇を思い出す必要があります。国民の投じた1票の積み重ねではクリントン候補(民主党)がトランプ候補(共和党)を越えていましたが、各州の選挙人獲得数においては激戦州での僅かな差によって、トランプ候補が選挙人を総取りして、逆転したのです。

 

自民党の総裁選の方法に難癖をつけるわけではありませんが、党員投票を行うべきだとの声も出ていましたが、国政を停滞できないからと、国会議員(+県連3票)による選挙になりました。事前の世論調査では、石破氏を総理(総裁)にするべきだとの声が大きかったにもかかわらず、なぜか第三の候補(あるいは、それよりも低い順位)だった菅総裁が誕生し、石破氏は第3位の得票数に終わりました。

 

そして、総理選出のためだけの臨時国会が召集され、菅総裁が総理に選出されました。

 

それから1ヶ月。いまだに所信表明のための臨時国会も召集されず、でも一方で様々な施策をどんどんと打ち出しています。

 

しかし、打ち出している施策は、どれも些末なことばかり(でも、携帯電話料金の引き下げや押印廃止など国民受けする施策を前面に押し出しています)で、しかも法律や省令などについての充分な整合性すら整理されないままに「行政改革」の名の下で強引に準備を進めています。

 

戦前の財閥復活をも想起させる大企業化・集約化への動き(地銀の統合や日本学術会議に象徴される外郭団体の整理統合問題、マイナンバーカードと運転免許証の統合など)が国民の審判も経ずに進められようとしています。

 

なぜ、集約化が危険なのかと言えば、規制緩和と言っているものの、規制復活するときには「業界団体」という相手が少なければ少ないほど、説得が楽だからに他なりません。例えば、地銀の統合問題にしても、各地方(財務局管轄を想定します)の地銀の数が、現在の64行(第一地銀)、38行(第二地銀)の100行以上の声を聞くよりも、10行程度になってしまえば、地銀の声も届きにくくなります。信金・信組を含めて、各地方の経済の特殊性を最もよく承知しているのはこれらの金融機関ですが、そのようなことはお構いなしです。しかも地銀統合の背景には、メガバンクの資本力によって、メガバンクの系列に入ってしまい、結局はメガバンクとだけ話をすれば物事が決着するようになってしまうのではないでしょうか。しかも、経営安定化のために支店の統廃合は加速するでしょう。そうなれば、移動の手段が限られる高齢者は金融サービスを受けられなくなります。

 

振り込め詐欺や還付金詐欺など、ATMでの送金・出金金額の限度額を設けてはいるものの、多額の現金を狙うこれら詐欺グループにとっては、金融機関窓口での送金抑止の効果は絶大ですから、今後はATMでの小口送金にシフトするかも知れませんが、これは金融機関窓口減少によって高齢者が蒙る不便さと見比べる必要があると思います。

 

このようなことを展開していくと、地方の独自性はなくなっていき、「地方再生」や「地方創生」という掛け声は、有名無実になりそうです。

 

総理というのは、「どのような国」にするのかという基本姿勢を国会で説明をし、国民も納得してから具体策を進めるべきですが、その所信表明すら行われていません。ましてや、自民党内での総裁選びで決まった総理に「正統性」がないという批判がありましたが、矢継ぎ早に施策を打ち出していることで、そのような批判の声は押しつぶされています。

 

「結果」は目に見えているからと、解散総選挙をする必要はない、という声もあるでしょうが、ある意味ではアメリカの大統領選のように国民の声が一定程度明らかになるシステムとは違って、自民党(党員数108万人余、2019年末現在)という全人口のわずか1%にも満たない中で出てきた総裁が総理になる現状に鑑みたとき、本当にこの国のあるべき姿を見つめているかどうか、疑問に思わざるを得ません。

 

 

 

 

 

 



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