施策現場の貧困

 

とある学童保育(放課後児童クラブ)の運営団体の正会員として、運営の実態を聞く機会がありました。

 

学童保育については、平成31年度から業務委託の方式が変更され、プロポーザル方式で公募をし、審査の結果、従来の学童保育施設の運営を行うことになりました。運営団体としては一息ついているとのことでした。

 

しかし、別途彦根市から支給される運営に関わる次のような経費について大きな問題を抱えていることが分かりました。

 

学童保育施設では、子どもたちのためのちょっとした傷への絆創膏や、絵本、壁掛け時計の電池やトイレの掃除の道具などを予算の範囲内で準備する必要があります。ところが、その費用というのが理解できないほどの少額しか確保されておらず、困っているのだというのです。

 

どういうことなのかというと、その学童保育には夏休み期間には約200人の子どもたちが通っていました。例えば絆創膏でいえば、1箱350円(100枚入り・1枚3.5円)程度のものから30枚程度で400円(1枚10円以上)のものなど、いろいろと発売されていますが、それらを一箱買ってしまえばそれ以上に買うことができない程度にしか予算枠がないというのです。

 

また当然のことながら子どもたちが読書をする絵本などは子どもたちが使うものですから破れてしまったりして補充をしたくてもそのような予算の枠がないというのです。そのようなことから、トイレの清掃用シートなども、自宅では数枚使っているようなことすら、1枚で済ませなければならないという努力をされているというのです。

 

その学童保育では学生のコーラス部を呼んで(もちろん無償でお願いをして)子どもたちに聞かせたりして、情操教育の充実を図ったりする涙ぐましい努力をされています。

 

その学童保育へ夏休みのある日、市長が昼食の時間の前に来られ、子どもたちと一緒に昼食を食べたというのです。その時にこの窮状を市長の前で子どもたちが主任指導員に訴えたそうですが、市長の耳には伝わらなかったようです。このような現場を訪れた市長であれば、「困っていることはないか」「不足しているものはないか」と、現場での問題点を聞き出すのが役目です。しかし、子どもたちとの昼食を摂るというパフォーマンスだけしか念頭になかったようです。

 

議員の立場からすれば予算外の支出をしてもらうことは問題がある、と言うべきではあるのでしょう。しかし、絆創膏や絵本などという必須アイテムについて本当に心が向けられているのか疑問となる、この市長の態度に強い不信感を持たざるを得ません。

 

100円、200円を節約させて、しかもそれでも不足を来しているにもかかわらず、庁舎や新市民体育センターの工事費には億単位での増額を議会に求めようとしていたり、入札が順調に進まずに仮庁舎の賃料が毎月毎月と積み上がっているのです。この金銭感覚のギャップと、市民感情としての窮状を訴えても受け止めない態度は、到底市長としてのものではないと言わざるを得ません。

 

「枠配分方式」と言って、市長が上限額を決めておいて、その範囲を超えないように現場の事務部局が決めたことなのであるなどと言う言い訳をしそうですが、そこまで追い詰めた市長の責任は重いものがあります。まさに貧すれば鈍するという状態です。

 

しかも、購入する品目ごとに購入できる商店が決められていて、100均ショップなどでは購入できないことになっています。金額は下げられても安価な店舗で買えるのであればまだしも、本当に「心のない」政治手法ではないでしょうか。

 

「福祉は現場から」というお題目を掲げ、自ら現場に赴いているにもかかわらず、子どもたちとふれあいをしたというパフォーマンスにうつつを抜かし、現場を見ようともしないようでは、市長失格でしかありません。

 

 

 

 

 



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