政治の方向性

あるべき地方自治体像について考えてみます。

 

地方自治体は4年に1度の首長選で首長が選ばれ、その後の4年間を託すことになっています。一方、行政を監視する意味で、議会が存在し、議員の選挙も4年に1度、行われます。更に、直接請求という住民が直接に意見表明の場も、地方自治法で認められています。これは議会制民主主義を否定するものではなく、議会の監視機能を補完するために存在します。

 

議員が常に市民の声に耳を傾けていて、その声の真意を汲み取っていれば、市民の声と議員の議会における賛否の意見表明に大きな齟齬は生じません。しかし、往々にしてそうではないことが想定されるからこそ直接請求という制度が生まれたのだと考えます。

 

行政システムにおける予算編成権は首長にあり、議会は提案された予算案について検証し、修正すべき点があれば修正案を提出し、その修正案について先議されることになっています。

 

例えば、地方自治体が土地を購入するとします。その議案は議会に提案されます。何しろ、土地を購入するための財源は、主として住民から納税される税金が原資だからです。彦根市でいえは、「市税」として徴収している税金には「市民税」「固定資産税」「都市計画税」「たばこ税」「入湯税」「軽自動車税」があります。それらに国県からの補助金や国からの地方交付税などを加えて、様々な事業に振り分けるのですが、土地の取得についても同様に、取得の必要性や利用目的について審査をし、議決するのです。当然、取得後も利用目的に合致しているのかを監視し続ける必要があるのは当然です。「買ってしまえば終わり」ではないのです。それは、住民が納めた税金を寝かせ続けることになるからに他なりません。

 

では、その土地を売却するときにはどうなのでしょう。多くの場合に、「寝かせ続けた税金」を「現金」として収納するのですから、安価に売却することが許されわけではありません。

 

ところが、「財産の交換、譲与、無償貸付け等に関する条例」というものがあり、本来は地方自治法で議会の議決が必要である交換・譲与・無償貸付けについて、議会の議決を要しないことができることになっています。

 

この条例の中に議会の議決不要となる条文があります。議会の議決が不要であるものの中に、他の地方公共団体に無償で貸し付ける場合が含まれているのです。つまり、県や他市町村に貸し付ける場合にも、議会の議決が不要になっているのです。

 

これって、おかしいと思いませんか。その土地は住民の税金で買ったものです。本来、住民のために使う土地だから、住民の税金で買ったはずです。それを無償で貸し付けることは、使用目的が決められた「行政財産」が「普通財産」になるからで、その無償貸付けの相手方についても「目的」をもって使用しようとしているのですから、本来的には相手方にとっては「行政財産」とすべきものです。そうであれば、売却するべきものではないでしょうか。

 

この議論、「条例があるから」議会の議決は不要だとすることは、住民の目線からすれば不可解です。それならば、条例を改正して、正々堂々と「無償で貸し付ける」ことの承認を得ればすむことです。そこを端折ってしまえるシステムこそが問題ではないでしょうか。

 

今や、地方自治体はどこもが財政的に厳しい局面に入っています。団塊の世代がリタイアし、少子化の影響と実質賃金の減少によって市税収入が減少局面に入ることは、誰しもが認める近未来の現実です。

 

そのような中で、気前よく、たとえ相手が県であっても「無償で貸し付ける」ことに違和感を感じなければならないのではないでしょうか。

 

常に当たり前の「おかしい」を声に出せる議会であってこそ、本来の監視機能が果たせるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 



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